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システムキッチン

使いやすくて最高にお気に入りのキッチンがあれば毎日が、人生がもっと楽しくなる!
ワークトップや機器を選び、それを無垢の木材で組み立てる。お気に入りのハンドルをつけて、引き出しは収納力たっぷりに。
余分と不足のあいだに、本物の素材でつくる。フルオーダーのシステムキッチンのご提案です。

素材
画像製作例
木材:オバンコール、ウォルナット、栗、ナラ、ヒノキなど、適材適所で組み合わせています。
ステンレスワークトップ:シゲル工業
ビルトインガスコンロ・コンビネーションレンジ・レンジフード:ノーリツ
ハンドル:真鍮(上手工作所)

仕上げ
ウレタンオイル含浸塗装
サイズ (mm)
I型壁側/w3000×d610×h800 アイランド側/w2000×d890×h800/880
価格
ご要望とご予算に合わせて2,000,000円程度から

サイズ表記について

お問い合わせ

本物の素材でシンプルにつくる

もともと木工の仕事を始めたときから、暮らしに必要なものは小さいものであれ大きいものであれ、作れるものはなんでも作ってみたいと思っていました。
子供が成長してそれまでのセルフビルドで建てた住まいが手狭になり、古い木造の仕事場の2階へ引っ越しを検討したときに、〈キッチンで遊べる家〉にしたいと思いました。妻も僕もわりと料理は好きだし、子供と一緒にアジフライをつくったりクッキーを焼いたり、そういう時間を楽しみたい。毎日必ず使う場所なのだから、仕事場のように過不足なくちょうどよく。メーカーのカタログに載っているような過剰な機能や目新しさは要らないし、かと言って何でもいいってわけでもない。
身の丈にあった、シンプルなものがいい。その代わり、本物の材料を使ってつくりたい。

製作にあたり検討したこと

ビルトインキッチンを製作するにあたり、生活スタイルやキッチンウェア、食器類などはある程度定番が決まっていたので、収納したいものの寸法を測るところから始めました。
ワークトップは現在は人造大理石、セラミック、左官仕上げまで多種多様で好み次第ですが、今回はシンプルにステンレスを選びました。設置場所が木造の2階なので軽く作りたいということもありました。ワークトップの高さ、動線、対面2シンクで調理場と洗い場を分けたかったのでその通路幅、ガスコンロ、オーブン、レンジフードはどれにする?ボールはこっちに仕舞うようにして、ここの引き出しはスパイスにしようか?それら、たくさんの決めなければいけない事があり、それら、たくさんのことを考える時間が楽しい。

実際に見て触って頂けるように

こうして自宅用に製作したビルトインキッチンを使い始めて約1年が経ち、使用感も現れはじめたところで写真を撮りました。気に入っているところもあれば、こうすれば良かった点もあり。納品するとサンプルが手元になくなりますし、使ってみての中長期の評価もできないので、自宅用ではありますがモデルケースのつもりで製作しました。
以下に製品の紹介をしますが、いつでも実際にキッチンは見て頂けます。日時の指定を頂きたいので、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

製品紹介

オーダーメイドでつくるキッチン
ダブルシンクのレイアウト
ガランと何もないワンフロアだったところを、間仕切りも何もないリビングダイニングキッチンにしています。ダイニングテーブルは画像には写っていません。
それまでのキッチンでは調理中シンクに洗い物が溜まって不便に思っていたので、壁側のシンクは洗い物用、アイランド側は調理用と使い分けるイメージでダブルシンクにしてみました。家族で複数人でキッチンに立つことも多いので、シンクが2つあって不便と感じたことはなく、強いてあげれば掃除が2箇所に増えることくらい。我が家は食洗機を使わないので、油汚れの多いものとすすぎで済むグラスなどをシンクで洗い分けたり、とにかく調理中でも一方のシンクを清潔に保っておける点が気持ち良い。

 

ステンレストップと無垢材のキッチン
シンク下収納と真鍮のタオルバー
シンク下は簡素に引き違い戸にしました。中はオープンで台所用品やバケツなどを入れています。キッチンメーカー製品のようなワンバケットの引き出し収納も検討可能です。タオルバーはデザイン性の高いものは価格も高いしどうしようかなと思ったんですが、無垢の真鍮丸棒を曲げて直接本体に差し込んでいます。余計なパーツがなくてすっきり、たわみは生じますが、タオルを掛けるには強度は十分です。

 

ウォルナット材のキッチンカウンター

ステンレストップの仕上げと形状
ステンレスのワークトップは奥側に立ち上がりのあるオーソドックスな形状にしました。レバー操作式の水栓を使う予定だったので水ハネが気になりますし、ワークトップはリブ(縁の段差)なしにしたので、液体がこぼれてしまうのも困ります。表面仕上げは最も安価なヘアライン仕上げです。毎日使う分には気になりませんが、写真映えはしませんね。。。予算に応じバイブレーション仕上げやエンボス加工など任意のオーダーが可能です。

 

無垢材のアイランドキッチン
リビング側のミニカウンターと収納
リビング側には一段高いカウンターを設けました。ここで寿司屋カウンター席ごっこをする予定だったのですが、現在のところ実施できておりません。。。フルーツや卓上カレンダーを置いたり、日常生活では便利に機能しています。ワークトップと同じ高さだと水濡れを心配しますが、ここは守られている感じ。ステンレスワークトップの奥行きが約600mm、ミニカウンターの幅は約300mmで、その下は収納スペースにしています。向かって左の板戸は見せたくないものの収納用。背の高い水筒や料理の本、コロコロとか、キッチンとリビングでよく使うものを仕舞っています。右側のガラス戸は見えてもいい収納。友人からプレゼントしてもらったお気に入りのグラスや妻の焼いた焼き締めのポット、藤のサンドイッチバスケットなど、こちらもキッチンまわりで使うことの多いものを仕舞っています。

 

無垢の木材を使用したアイランドキッチン
使用した木材について
本体部分はオバンコール材、カウンターはウォルナット材。オバンコールはアフリカの木で、深みのある色調と光沢をもつ意匠性の高い木材です。中途半端な長さで使い道に迷っていたものがあったので使用しましたが、いざ購入して使おうと思うと高価なものになります。ウォルナットも高価ですが、比較的流通量は多いので入手困難というほどではありません。しかし思い描いたような欠点のない材料を揃えることは困難です。

 

キッチンの広々としたワークスペース
アイランドキッチンと併設したワークスペース
ステンレスワークトップは約d600×w2000mm、その横にd900×w1300mmの木製ワークトップを並べました。料理の盛り付けをしたり配膳台として使ったり、親子で餃子を包んだり。リビング側の半分は足元がオープンスペースになっていて、子供達の慌ただしい朝食や、簡単に済ませたいお昼などはここで食べられるようにしています。高さは800mmと高めなので、ハイスツールを置いてふたり並んで食べられるように寸法を決めたのですが、足元の半分は猫ちゃんのお食事処となっています。。。

 

チェッカーガラスのキッチン収納庫
ワークスペース下の収納
ワークスペース下のコンロ側、チェッカーガラスを嵌めた引き違い戸の中は収納庫としています。右側は戸を開けるとオープンラックで、買い置きの調味料や乾麺、乾物、常温保存できるものを。左側は引き出しでお菓子やお菓子のほか、お菓子など。。。お弁当関連の容器や小物もここに収納しています。ここの使用材はキャビネット本体は栗、天板はウォルナット。引き戸はオバンコール、なかの引き出しはホワイトオークとヒノキです。ある材料を組み合わせて使いました。引き違い戸を多用していますが、製作と調整が比較的容易なのと、金物なしで製作できるので予算上限を設けて製作する場合には有効です。

 

無垢の木材を使用したオーダーキッチン
全体寸法と通路幅
アイランド側はステンレストップの部分と木製トップのワークスペースを合わせて約d900×3300mm。壁側はステンレスワークトップが約600×3000mm、その奥に同じ材料でそれぞれw750mmのカップボードと洗面台を製作しました。通路幅は960mm程度。両側で同時に作業をしてもお尻はぶつかりません。

 

無垢材 I型キッチン
壁付けのI型キッチンとノックダウンのこと
先ほども寸法を書いたd610×w3000mmのステンレストップは1枚ものです。コンロ右横は調理器具などを置くために空けたスペースで、普段は多段ラックにフライパン類を置いています。キャビネット部分もはじめは一体化してしまおうと思っていたのですが、組み立ててしまうと重くて階段を持って上がれないことがはっきりしてきて、各セクションごとに一部接着したうえで、全体としては設置場所で、ジョイントボルトなどの金物とホゾを併用して組み立てることにしました。上の画像だとシンク部分、その右の引き出しの部分、その右のコンロの部分、その右の引き出しの部分と、4つのセクションに分解、運搬、組み立てが出来るようになっています。

 

シゲル工業のステンレスワークトップを使用したオーダーメイドキッチン
シゲル工業さんのオーダーメイドカウンター
ビルトインキッチンを製作するにあたり、ワークトップの発注は懸念事項のひとつでしたが、シゲル工業さんのホームページから比較的簡単にオーダーすることが出来ました。今回使ったのはJS15シリーズで、シンク内に設けられたレールで色々なオプションパーツを組み合わせて使えるようになっているところが便利です。いわゆる〈折り返し〉とか〈前垂れ〉とか呼ぶ厚み分の巻き込みがあり、ステンレス板の裏側にはその厚み分を使って補強のための合板が接着されています。最近は横からみると厚みが数ミリ程度しかない、〈巻き込み〉のないステンレスのワークトップもよく目にします。どのように施工しているのだろうと調べましたが、発注先、構造など現時点でわかりませんでした。どなたか是非教えてください。。。

 

ノーリツプラスドゥ オーダーキッチン
機器選び
ビルトインコンロは以前友人宅で見て好きだったノーリツのプラスドゥシリーズにしました。いたってシンプルですが、トップカバーがステンレスなので汚れや焦げ付きを最終手段として研磨してしまえるところに最大の魅力を感じています。炊飯モードが思いのほか優秀で、いつも炊飯用の鉄鍋でご飯を炊きますが火力調整や消し忘れでの失敗がゼロになりました。ノーリツさんすごい。ビルトインオーブン(コンビネーションレンジ)も同シリーズです。
我が家は直火が好きなのでガスコンロですが、新築であればIHを検討される場合がほとんどでしょうか。こういった機器選びは法律上の制約以外は好みと予算次第ですので、可能な限りご要望に対応いたします。

 

オーダーキッチン 収納
引き出し収納
包丁や小物類は一番上の浅い引き出しに、スパイスや調理器具は中段に、ボトル類は下の深い引き出しにと収納したいものに合わせて深さを調整しています。スライドレールを使用し、ほぼ一杯に引き出しことができるので引き出し内部のレイアウトを工夫する楽しさがあります。包丁はカツンカツン当てたくないのできちんと並べて仕舞えるように専用の仕切りを設けました。

 

無垢材のカップボードと洗面台
コンロ横に併設したカップボードと洗面台
キッチンと一体感が出るように天板レベルと材料を揃えてカップボードと洗面台を製作しました。それぞれ独立しており、単独でのご注文も承ります。洗面台は浴室脱衣場に設置することが多いと思いますが、あいにく浴室は1階にあり夏は暑いし冬は寒い。なのでリビングのキッチン横に持ってきました。調理中に生肉を触ったけれど、シンクには野菜の水切りカゴが置いてある。。。そんな時に洗面で手を洗えるのも便利だったりします。

 

チェッカーガラスのカップボード
カップボード上部
カップボードは上下セパレートで作っています。上部チェッカーガラスの扉の中はオープンの棚で、普段使いの器、主にグラスやコップ、小鉢や蕎麦猪口とか飯茶碗を仕舞っています。妻の職業は陶芸家なので、家で使う器のほとんどは薪窯で焼いた焼き締めと粉青(粉引と刷毛目)です。

 

無垢材のカップボードの収納例
カップボード下部
下部の引き出しにはカトラリー、小皿や鉢など背の低い器、どんぶりや大皿など重ねにくいものなど、5段に分けて仕舞っています。キャビネット本体の奥行きが60cmあれば引き出しは50cmは全開できるので、意外に収納力があります。

 

洗面台は毎日のワークスペース
洗面のスペース
洗面ボウルを載せるキャビネットの前面にはコンセントを設けました。お風呂から上がってきたら洗面の前の椅子に座って、一番上の引き出しをあけてドライヤーを手にとる。毎日することなので、一連のルーティーンが終わって元通りになるように、設計の際は片付けやすいことにも気をつけました。食事前に手を洗う際にも、洗面がダイニングエリアにあると楽です。

 

オーダーメイドでつくる理想のキッチン

自分にとっては毎日の普段の生活が人生そのものです。車や服などに比べ、お店でもない限りキッチンは人目に付く部分ではありません。けれど毎日立つ仕事場のような場所でもあり、家族の健康をつくる場所でもあり、家のなかの〈ヘソ〉のような存在。価値観を共有できる方の、理想のキッチンづくりをお手伝いできたら光栄です。

 

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